沿革と理念



 私は市内の中学校で教鞭を執りながら、20年ほど前より小中連携と称して、勤務校の学校部活動と地域の小学生がバレーボールを通して交流する活動を行ってきました。しかし、部活動という枠の中での限界や、部員数、指導する職員の減少など、直面する課題がたくさんあり、地域におけるバレーボールの裾野を広げ、普及から強化につながる手立てを模索していました。

 そうした中、文部科学省から部活動の在り方に関するガイドラインが出されました。土日の学校部活動を地域の活動に移行していくというものです。私が取り組んできた活動を活かすことができるのではと考え、これがKVA発足の契機となりました。

 2020年、今後の桑名郡市のバレーボール競技の在り方を見据え様々な課題を克服していく手段として、桑名市のバレーボール指導経験のある教職員を中心に「桑名バレーボールアカデミー(KVA)」の構想を立て、2021年にスタートさせました。これまでのように各学校単位で選手を育成するのではなく、チームの枠を取り払い、地域全体で活動することをコンセプトとしました。多くの指導者が協力し合い、地域の小中学生におけるバレーボール競技の普及や、今後の指導者の育成も同時に取り組むことを狙いとしています。

 その一環として、教職員だけでなく、将来的にバレーボールの指導者として活動を志す大学生等も指導に加わっています。はじめは数人でしたが年々その人数は増え、今ではクラブチーム「KVAーLINK(LINKにはつながりを作る人という意味を含んでいます)」としてクラブチームに登録し、全国大会に出場するまでになりました。

 現在KVAは、所属する児童、生徒、選手、スタッフを合わせると、100名を超える大きな組織です。今後も地域での取り組みを活性化させながら、幅広い年齢層での人間関係の「つながり」を大切にした活動を続けていきたいと思います。アカデミーに所属した子どもたちが将来、バレーボールの指導者として関わってくれたら、私にとってこれほど嬉しいことはありません。

 2023年7月より、活動拠点である桑名市立明正中学校のバレーボール部とKVAは、桑名市のモデル部活動に指定され、地域移行に向けて連携しながら活動しています。これからも地域、行政とも連携し、子どもたちが安心してスポーツを楽しめる「場所づくり」を整えていきたいと思います。


2023年12月  KVA代表 加藤 久


加藤代表の発表が新聞に掲載されました

日本教育新聞(2023年10月16日掲載)
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